朝英語の会@京阪神~The Japan Times紙記事について議論する

朝英語の会@京阪神(京都・大阪・神戸)のブログページ。 次回の「朝英語の会大阪梅田・神戸」のテーマに関連する日本語及び英語記事を紹介しています。これまでに行ったワークショップの詳細や参加者の様子もアップしています。参加前に読んでおくと、テーマの背景や関連の英語の語彙を知ることができます。

5/10(木)「朝英語の会梅田」のテーマ:24時間社会と働き方改革

 

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5/10(木)の朝英語の会梅田に使う記事が発表されました。テーマは24時間社会、働き方改革、企業と権力等についてです。

 

事件は今年2月の大雪の福井県で、長時間休みなく雪かき作業をすることを余儀なくされたセブン・イレブンのオーナーが本部に何度か一時閉店のリクエストをしたことから始まります。オーナーは「屋根に積もった大量の雪のため、顧客に対する危険もある」として、店舗を一時閉めてよいかどうか、数度本部に確認しました。しかし、本部からは「24時間営業の原則」を守るため、一時閉店の許可は下りませんでした。オーナーは結局50時間睡眠する時間も全く無く働き続けなければならなかったのです。

 

今回はフランチャイズの代理店と本部の間の営業時間の「ルール」に関する確執でしたが、コンビニの労働慣行や食品廃棄に関するルールに関しては多くの識者が倫理面や環境面から異議を唱えています。その代表的なものが食品ロスの専門家である井出留美さんが報告しているコンビニ業界の「恵方巻」や「クリスマス・ケーキ」の季節食品に関する大量の食品廃棄です。

 

コンビニ恵方巻は食品廃棄問題の「象徴」だ

http://diamond.jp/articles/dol-creditcard/158130?skin=dol-creditcard

 

また、廃棄による店舗側の損失をを減らすために、オーナーがコンビニで働くアルバイト等の店員に販売ノルマを課したり、買取させたりしていたことも問題になりました。

 

そしてコンビニにみるフランチャイズの本部のルールの厳しさ、従業員の労働条件、多額のロイヤリティと代理店側の負担の格差は、フランチャイズ経営の本場である米国でも大きな社会問題になっています。2015年に、マクドナルドはフランチャイズの店舗で働く従業員から直接、残業代未払いの訴訟を起こされています。しかし、オバマ時代に作られたフランチャイズ本部とオーナーの労働者に対する共同責任の原則はトランプ政権になってからは破棄されました。今回の記事で明らかなように日本でもコンビニ等のフランチャイズのオーナーの収益は低く抑えられ、そこで働く労働者の権利は弱いままです。

 

Guidelines on franchise owners, workers

https://www.iol.co.za/business-report/international/guidelines-on-franchise-owners-workers-9689869

 

Franchisors, franchisees must both be liable for labor violations

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/labor/328810-franchisors-franchisees-must-both-be-liable-for-labor-violations#.Wum4rh-5OKU.twitter

 

私達は今やコンビニエンス・ストアや24時間営業の様々な店舗・サービスの存在を当たり前のように受け入れて生活しています。しかしこれらの営業形態が現在の様にわが国で一般的になったのはせいぜいこの30年です。一方、従業員の休日を確保するために欧州では日曜日は閉店、夏のバカンス・シーズンは一ヶ月まるまる休業、昼休みは昼寝も兼ねて数時間という国が多くあります。それでもこれらの国々の一人当たりの労働生産性は日本よりはるかに高いのが実情です。

 

24時間社会を追求することによって、我々は豊かになったのでしょうか?生活満足度は高まったのか?今一度自問してみる必要がありそうです。今回利用する記事は以下のものです。皆さんの議論に期待します。

 

Let’s discuss that Seven-Eleven that was forced to stay open in a blizzard

https://www.japantimes.co.jp/life/2018/04/30/language/lets-discuss-seven-eleven-forced-stay-open-blizzard/#.WunUiYiFPIV

 

 

神戸市×リバプール市交流フォーラム「クリエイティブスペースが都市に与えるインパクト」4/28(土)

 

 

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以下英語によるイベント情報です。
 

4/28(土) 以前リサーチの為長期滞在していたリバプール市の政策に関するイベントです。リバプール市は19世紀は港湾都市工業都市として栄え、英国の産業革命の発祥の地と言われる地域の一角を占めています。世界で初めての本格的な鉄道はリバプールマンチェスターを結ぶ路線からスタートしました。

しかし20世紀にはいると衰退の兆候を見せ始め、ビートルズが世に出た頃には主要な産業は英国南部に移転した後でした。しかし、この歴史が逆にリバプール市をアート、住宅、社会政策の先進都市としてして押し上げることになります。今回のフォーラムは「クリエイティブスペースが都市に与えるインパクト」というテーマでアートが地域活性化に果たす役割について議論します。

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フォーラムは無料で、英語の同時通訳が付いています。

 

神戸市×リバプール市交流フォーラム「クリエイティブスペースが都市に与えるインパクト」

http://kiito.jp/schedule/lecture/article/28124/

 

How to invent the Future(未来の創り方)

https://078kobe.jp/events/5576/  

 

4/26(木)朝英語の会梅田のテーマ:女性と相撲 ―「伝統」の定義

 

4/26(木)の朝英語の会梅田は「女性と相撲」の問題で問われる「伝統」の「定義」または「言説―Discourse」について議論します。

 

仏語discours(ディスクール〈英語のdiscourseに相当〉)の訳語にあたる「言説」は、まだ日本人に馴染みの薄い定義ですが、欧米の社会科学の分野では「Power-権力」を論じるにあたって非常に重要な概念となっていますので、ここで取り上げたいと思います。

 

言説という概念はフランスの著名な哲学者であるPaul-Michel Foucault (1926 – 1984)によって広く知られるようになった概念です。非常に複雑な概念ですが、簡単に言ってしまうと、ある「言葉」を誰がどのように「定義」しているかを見ることで、その言葉を利用する、そしてされる人々の力関係が決まる、といったことです。

 

この最も分かりやすい例が、プロバガンダと呼ばれているものです。例えばイスラム過激派のテロ集団は、様々なテロ活動を「ジハード=聖戦」と呼んで正当化してきました。被害者にとっては憎むべき卑劣な犯罪も、「聖戦」という言葉により、この「戦い」は過去の欧米の帝国主義による植民地支配の怨念を晴らすものだという高貴なものに浄化されます。日本やドイツのファシズムもこの言説の利用無くしては成立しませんでした。

 

そして、何故、この「言説と伝統」が問題になるかというと、多くの場合「伝統」は「歴史的に認められた守るべき文化遺産である」という定義が関係者=Stakeholderの間で広く共有され、それ故にその「伝統」が守られ続け、その伝統を利用する立場にある者の権力を強化する歴史があったからです。その最たるものが「王家」「王制」であり、王は神の使者として、その権力を誇示し、一般民衆を支配してきました。

 

現代においても「伝統」という言葉が広く他者を支配する手段として利用されてきたという主張をしているのが、「The Invention of Tradition」の著者、Eric Hobsbawmです。Hobsbawmはこの「伝統の定義」に疑義を示し、我々が伝統として信じているものの多くは比較的歴史が浅く、実際は時の権力者の都合の良い様に新たに「創作された伝統」であることが多々あると著書のなかで論じています。

 

先日、相撲の土俵内で救急救命中の女性が土俵から出るように促されたことが、大きな事件として取り上げられました。日本相撲協会が土俵内における女性排除の「伝統の重要性」を論ずる一方、多くの人々が実はかなり近年まで「女性力士」が存在したことを取り上げ、土俵内の女人禁制の「伝統の正当性」を厳しく批判しています。

 

このように「言葉の定義」というものは様々な角度から検証される必要があります「Discourse」による「Tradition」の再定義は我々のCritical Thinkingのスキルを鍛えるための絶好の教材であるといえます。皆さんの議論を期待しています。  

 

当日利用する記事はこちら。 Let’s discuss women and sumo. https://www.japantimes.co.jp/life/2018/04/16/language/lets-discuss-women-sumo/#.WtwylciFPIV

 

以下、議論の為の参考文献です。

 

The Guardian紙

Women ordered off stage at sumo contest after trying to help stricken mayor

https://www.theguardian.com/world/2018/apr/05/women-ordered-off-stage-at-sumo-contest-after-trying-to-help-stricken-mayor

 

ミシェル・フーコー

Foucault: power is everywhere: understanding power for social change

http://www.powercube.net/other-forms-of-power/foucault-power-is-everywhere/

 

知恵蔵の解説(コトバンクより抜粋)

「言説」とは文字通り「言葉で説くこと、説くその言葉」の意であるが、言語・文化・社会を論じる用語としての語義はそれとは大きく異なる。批評用語としての「言説」は、仏語discours(ディスクール〈英語のdiscourseに相当〉)の訳語として成立した。元来、「演説、スピーチ、発言、論」を意味したdiscourseには、1960年代以降、ミシェル・フーコーの言う「特定の社会的・文化的な集団・諸関係に強く結びつき、それによって規定される、言語表現、ものの言い方」の含意が加えられた。それを受けて、今日「言説」(discours)は、ある「もの言い」の文化的、社会的文脈の意で使われることが多い。(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

 

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4/12 (木)朝英語の会梅田:花粉症について

 

今年は桜の開花が早く、お花見シーズンも終わりに近づきつつあります。4月になり、日本での新年度が始まりました。「朝英語の会」梅田@スタートアップカフェ大阪も昨年3月末に始まったことから、この4月で1周年ということになります。先日記念として初めてプレスリリースを発行させていただきました。初めてなので、書き方や手続き、仕組み等不慣れなこともありましたが、良い経験でした。

 

もし自分で出してみたいという方がおられたら、会の当日質問にお答えします。ちなみに同時期に、日本語・英語合わせて5本のプレスリリースを執筆しました。発行する前は、大変だなと思いましたが、一度自分で経験してみると後は意外とスムーズです。「習うより慣れろ」の精神で、今年も「英語で議論する会」を続けていきたいと思います。

 

以下発行したプレスリリースです。FacebookTwitterでシェアしていただければ幸いです。

 

『朝英語の会』梅田 @スタートアップカフェ大阪~The Japan Times 紙記事について議論する~開催1周年! https://www.sankeibiz.jp/business/news/180330/prl1803301802205-n1.htm

 

さて、次回は多くの皆さんが悩まされている花粉症―Hay Feverです。住む地域にもよりますが、北米や欧州では、あまり悩まされずにいたので、日本では対策が大変です。特に今年はかなり症状が悪化している人が多いそうですが、理由は下記のニュースを見ればわかります。

 

ヒノキ花粉が急増 都内で記録的飛散量(動画) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180408/k10011394841000.html

 

また、花粉症の最新治療法に関しては以下の記事がありました。

 

花粉症の最新治療 薬・レーザー・舌下免疫療法 https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_394.html?utm_int=detail_contents_news-link_001

 

Hay Fever (English)

https://www.emedicinehealth.com/hay_fever/article_em.htm

 

4/12(木)に利用する記事はこちらです。

Let’s discuss hay fever

https://www.japantimes.co.jp/life/2018/04/02/language/lets-discuss-hay-fever/#.Wsm7eohubIU

それでは、皆様とお会いできるのを楽しみにしています。

 

3/22(木)朝英語の会梅田のテーマ:旅券と査証~国境を超える自由について考える

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Photo by Logan Lambert on Unsplash


 3/22(木)の「朝英語の会梅田」は「パスポート指標」―その旅券を所持することによって得られる移動の自由度を表す指標―から「旅」「国際的な移動の自由」「市民権(国籍)」について議論します。

 

日本かシンガポールの旅券を所有していれば、世界180ヶ国に査証なしで訪問出来る―旅券による移動の自由度を表すHenley & Partners Passport Indexで日本とシンガポールが同時に1位になりました。インデックスの詳細に関しては下記を参照して下さい。

 

The 2018 Henley Passport Index

 

The Japan Times紙の記事は日本がこの指標でトップになった理由を詳細に説明しています。しかし、私はむしろ、何故このようなインデックスが発表されるようになったのかについて、たいへん興味を持ちました。たしかに、査証が不要になれば、旅行できる機会も増えます。旅が好きな人・海外出張が多い人にはこのような旅券は非常に有難いものです。また、特定の国の旅券保持者に対して、査証を緩和することにより、その対象国からの訪問客から得られる観光収入を増やすことが出来ます。

 

近年、日本に海外からの観光客が増加した理由の一つに日本が査証要件を緩和したことが挙げられています。 「何故、国際的な移動の自由度が重要か?」という質問に対して、この指標を発表している法律事務所のHenley & PartnersはHPで以下の様に説明しています。

 

Why global mobility matters today

 

「経済のグローバル化に伴い、査証を必要としない国際的な移動の自由度が増してきた。あらゆる経済的地位の人々が、ビジネスやキャリアやライフスタイルの変化に応じて、頻繁に国境を超え、自由に移動することを求めるようになってきている。特に経済的に豊かな層ほど、その人のルーツやネットワーク、資産、或いは市民権さえも、複数の国にまたがり、その活動はコスモポリタンと言えるほどになっている。」 これは私が今まであまり考えたことのなかった視点です。確かに近年、見聞きするニュースから私たちは「移民=経済的機会を求めて先進国にやってきた恵まれない人々」という風な古いステレオ・タイプを抱きがちです。

 

しかし、広く世界を見渡してみると、単なる出張や観光にとどまらず、経済的に恵まれた層は海外で教育を受け、そしてその経験を活かして、グローバル・レベルでビジネスを展開しているのが現実です。また私自身も長くEUの主要都市であるロンドンに暮らしましたが、まさに欧州を始め、世界中から、ビジネス、教育、観光のために様々な国の人々が訪問・滞在するコスモポリタンな都市でした。そして、留学や駐在等の比較的、短期間の滞在をきっかけに、職を得たり、投資をしたりして、最終的には英国に移住する決断をしたEU圏を始めとする移民の人々にも数多く出会っています。

 

このような移民や各国からの訪問者が都市、そしてその国の経済の活性化に大きく貢献しているのは間違いありません。そして、Henley & Partners法律事務所は、そのように外国に投資したり、あるいは他国への移住を考えている経済的余裕を持つ人々に助言を与えるコンサルティング業を営む法律事務所なのです。

 

Henley & Partners

 

ただ、残念なことに近年、日本人の可処分所得は下降の一途をたどり、海外旅行者数や旅券の取得率も減少していると聞きます。そして、近年多くの人が問題視しているのが、日本が未だに二重国籍を認めていない事です。「日本人」と紹介されたノーベル賞を受賞するような優秀な研究者や作家がこの制限から「日本国籍」を捨てざるを得なかったことは記憶に新しいと思います。

 

また、羽生結弦選手のような日本のトップアスリートの多くが、海外にトレーニングの拠点を置いているのが現状です。もし、日本が二重国籍を認めないなら、今後も優秀な才能の海外流出は止まらないでしょう。 「朝英語の会梅田」の参加者は海外志向の方が多く、また参加者の方の大半が過去海外で仕事をしていたり、留学していたという経験を持っています。

 

次回、皆さんと「旅」にまつわる様々な逸話を話しあえるのを楽しみにしています。 次回の朝英語の会の記事は以下のサイトから、閲覧可能です。

 

Let’s discuss passports and visas

 

See you soon!

 

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3/8(木)朝英語の会梅田のテーマ:学校の役割と制服、個性及び地域特性について

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3/8(木)の朝英語の会梅田のテーマが決まりました。SNS上で大きな話題を呼び、メディアでも何度か取り上げられた銀座の公立小学校、泰明小学校が「9万円のアルマーニ」を標準服として採用した件です。

 

Let’s discuss that Armani school uniform

 

泰明小学校の校長は「子ども達の日常の振る舞い、言葉遣い、学校社会という集団の中での生活の仕方など、どのような思いや願いがあって本校を選択されたのかが分からない」から、この小学校の生徒としてのプライドを持たせるためにアルマーニの標準服を採用したと説明しています。また「服育」という概念を使い、「ファッション」が人間の行動を変えるという理論を持ち出してこの標準服の役割を擁護しています。

 

なぜアルマーニ監修の標準服に? 泰明小校長は、こう保護者に説明した(全文)

 

実際、「マイフェアレディ」「プリティウーマン」「王子と乞食」など、映画や小説の中でファッションを中心にして、それを着用した人物の行動様式が次第に「成功者」のそれに変わっていくというストーリーがあります。また、「シャネルスーツ」「ミニスカート」の誕生に見られるように女性の社会進出や自己表現の自由とファッションが歴史的に綿密に結びついていることも事実です。

 

しかし、今回は標準服ですが、学校の制服には大きな違いがあります。まず、生徒は原則、自分で通学する学校の制服を選べないということです。特にこの学校は児童数が極端に少ない地域とは言え、公立小学校ですから、この地域に住む児童はほぼ自動的にこの学校に通学することになります。また身なりの規制や強制は「自己表現の自由」とは真逆の立場にあり、生徒の個性を抑圧することにもつながります。

 

実際、私が通っていた公立中学は当時の学校のルールでは男子は全員丸刈りでしたし、公立高校はパーマを禁止していました。それ故に厳しい服装規定があり、私はこの「管理社会」という点で学校が嫌いでした。この観点からみると「服育」の目的とは何か疑問が残ります。

 

また、批判が寄せられたのは公立小学校であるにもかかわらず、9万円台と破格の価格設定の標準服が採用されたこと、そして、その決定のプロセスが保護者には十分に説明がなく、学校内でも議論がほとんどされてなかったことです。

 

わが国ではこの20年、経済格差が拡大し、子供の貧困が大きな社会問題となっています。その時代に高価な制服が公立小学校に導入されることに疑問を持った人が大勢いたのも当然です。そして、何より、その決定のプロセスが透明ではなかったのですから、校長は批判されても仕方がないでしょう。

 

一式9万円の「アルマーニ標準服」 泰明小の校長「価格の条件付けず、交渉もしなかった」

 

一方、アルマーニの標準服を「保護者は全員購入した」「銀座という地域特性や他の名門小学校との競争上やむを得ない」という意見もある様です。

 

泰明小「アルマーニ」は本当に"高すぎる"のか~中央区立小学校の標準服の実態とは?

 

実は「学校の制服に反対か賛成か」という設問はTOEFLやIELTSなどの英語試験に頻繁に採用されている問題です。それぞれの決定に様々な長所と短所があるからです。大変興味深いテーマです。皆さんの次回の議論に期待します。

 

2/22(木)「朝英語の会梅田」のテーマ:#MeToo に関する世代間ギャップについて

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2/22(木)「朝英語の会梅田」に利用する記事が発表されました。テーマは「#MeToo に関する世代間ギャップについて」下記リンクをクリックすると記事に移行します。

 

Let's discuss divisions between younger and older women over #MeToo | The Japan Times

 

昨年秋にThe New York Times紙が複数の女優の証言によりハリウッドの大物プロデューサーであったハービー・ワインスタイン氏の長年にわたる性的暴行を含む様々なハラスメント行為を紙面で告発しました。この記事をきっかけとして、これまで長らく沈黙していた様々な業界の性的ハラスメント被害者による告発の動きがSNSで一気に世界中に広まりました。告発の対象となった人物は芸能界、メディア、アート、政界、スポーツ界で地位を確立している大物が多く、その影響力は今年に入ってもまだ衰えることを知りません。

 

2018年は英国で女性の参政権100周年を記念する多くのイベントが行われていますが、フェミニズムのムーブメントにはいくつかの波があると言われています。70年代のウーマン・リブ運動以降はフェミニズムの動きは比較的緩やかで、その前の二つの大きな波に比べれば、その影響はゆっくりと進行、あるいは停滞しているといった具合に取られていた時期もあったと思います。

 

しかし、今回の#Metoo運動の動きはセクシャル・ハラスメントの告発に留まらず、男女の賃金格差など、これまで進展が遅れていた労働問題にも波及してきています。これもやはりメディア発になりますが、米国民放番組の司会者やBBC放送の中国局長が過大な男女間の賃金格差を告発し、雇用者はその修正を余儀なくされています。

 

このようにフェミニズムの新しい波になりそうな勢いの#Metoo運動ですが、世代間あるいは文化間ではその波及の度合いや解釈には大きな違いが見受けられるようです。 まず口火を切ったのはフランスの著名な文化人や女優のグループが#Metoo運動に対して「清教徒的」「男性からの誘惑の自由」を訴えたケースがありました。またこれらの文化人の年齢層が1970年代の性の自由やウーマンリブを経験した比較的年齢層の高い世代であったため、フェミニズムに関する世代間のギャップを論じたのが今回のThe Japan Times紙の記事です。 The New York Timesの #Metoo 運動に関する世代間の考え方の違いを論ずる対談記事もありますので、参考情報として以下リンクを貼ります。メディア・エディターとして働く女性3人(20代、30代、50代)が議論しているものです。

 

The #MeToo Moment: Parsing the Generational Divide

 

一方、私が関心を持ったのはどちらかというと、#Metoo 運動に関する文化間のギャップです。最初に公にこの運動に異論を唱えたのが著名なフランス文化人だったというのも象徴的であったと思います。わが国でも少なからずこの#Metoo 運動の社会への影響はあったと思いますが、まだ以下に紹介する記事の中に出てくるWhisper(囁き)のレベルのようです。

記事では、米国・スウェーデンハンガリーバルカン半島から4人の識者が #Metoo 運動の功績と限界について執筆しています。文化ごとに違う問題のインパクトとそれに対する社会の反応を冷静に分析した良質な記事です。

 

Where to for #MeToo?: Four writers assess the movement’s impact in the US and Europe

 

特に旧社会主義国であった国々の状況は保守的な日本と少し似ている部分がありました。The New School, New YorkのClaire Potter教授はまた、この記事のなかの彼女の寄稿部分に以下のタイトルをつけており、セクハラは単に性的暴力の問題でなく、改めてthe abuse of powerの問題であり、男性中心の組織文化の改善にフォーカスすることを強調していたのが印象的です。

 

A lot of things are broken: Why focusing on sex won’t fix sexual harassment

 

男女同権が世界で最も進んでいる国の一つと思われるスウェーデンでさえもこの#Metoo運動は大きな影響を与えたようで、昨秋以来、多くの告発が行われたようです。筆者はやはり現在の組織のリーダーシップのモデルが攻撃的な男性性を備えた人物としてイメージされていることが問題だとも述べていました。この新しいフェミニズム運動に関して異なる文化的背景を持つ4人の識者の話には「日本の現況をどのように改善していくのか」についての大きなヒントが含まれているように感じました。 皆さんの今週の議論に期待しています。

 

 

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