朝英語の会@京阪神~The Japan Times紙記事について議論する

朝英語の会@京阪神(京都・大阪・神戸)のブログページ。 次回の「朝英語の会大阪梅田・神戸」のテーマに関連する日本語及び英語記事を紹介しています。これまでに行ったワークショップの詳細や参加者の様子もアップしています。参加前に読んでおくと、テーマの背景や関連の英語の語彙を知ることができます。

2/22(木)「朝英語の会梅田」のテーマ:#MeToo に関する世代間ギャップについて

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2/22(木)「朝英語の会梅田」に利用する記事が発表されました。テーマは「#MeToo に関する世代間ギャップについて」下記リンクをクリックすると記事に移行します。

 

Let's discuss divisions between younger and older women over #MeToo | The Japan Times

 

昨年秋にThe New York Times紙が複数の女優の証言によりハリウッドの大物プロデューサーであったハービー・ワインスタイン氏の長年にわたる性的暴行を含む様々なハラスメント行為を紙面で告発しました。この記事をきっかけとして、これまで長らく沈黙していた様々な業界の性的ハラスメント被害者による告発の動きがSNSで一気に世界中に広まりました。告発の対象となった人物は芸能界、メディア、アート、政界、スポーツ界で地位を確立している大物が多く、その影響力は今年に入ってもまだ衰えることを知りません。

 

2018年は英国で女性の参政権100周年を記念する多くのイベントが行われていますが、フェミニズムのムーブメントにはいくつかの波があると言われています。70年代のウーマン・リブ運動以降はフェミニズムの動きは比較的緩やかで、その前の二つの大きな波に比べれば、その影響はゆっくりと進行、あるいは停滞しているといった具合に取られていた時期もあったと思います。

 

しかし、今回の#Metoo運動の動きはセクシャル・ハラスメントの告発に留まらず、男女の賃金格差など、これまで進展が遅れていた労働問題にも波及してきています。これもやはりメディア発になりますが、米国民放番組の司会者やBBC放送の中国局長が過大な男女間の賃金格差を告発し、雇用者はその修正を余儀なくされています。

 

このようにフェミニズムの新しい波になりそうな勢いの#Metoo運動ですが、世代間あるいは文化間ではその波及の度合いや解釈には大きな違いが見受けられるようです。 まず口火を切ったのはフランスの著名な文化人や女優のグループが#Metoo運動に対して「清教徒的」「男性からの誘惑の自由」を訴えたケースがありました。またこれらの文化人の年齢層が1970年代の性の自由やウーマンリブを経験した比較的年齢層の高い世代であったため、フェミニズムに関する世代間のギャップを論じたのが今回のThe Japan Times紙の記事です。 The New York Timesの #Metoo 運動に関する世代間の考え方の違いを論ずる対談記事もありますので、参考情報として以下リンクを貼ります。メディア・エディターとして働く女性3人(20代、30代、50代)が議論しているものです。

 

The #MeToo Moment: Parsing the Generational Divide

 

一方、私が関心を持ったのはどちらかというと、#Metoo 運動に関する文化間のギャップです。最初に公にこの運動に異論を唱えたのが著名なフランス文化人だったというのも象徴的であったと思います。わが国でも少なからずこの#Metoo 運動の社会への影響はあったと思いますが、まだ以下に紹介する記事の中に出てくるWhisper(囁き)のレベルのようです。

記事では、米国・スウェーデンハンガリーバルカン半島から4人の識者が #Metoo 運動の功績と限界について執筆しています。文化ごとに違う問題のインパクトとそれに対する社会の反応を冷静に分析した良質な記事です。

 

Where to for #MeToo?: Four writers assess the movement’s impact in the US and Europe

 

特に旧社会主義国であった国々の状況は保守的な日本と少し似ている部分がありました。The New School, New YorkのClaire Potter教授はまた、この記事のなかの彼女の寄稿部分に以下のタイトルをつけており、セクハラは単に性的暴力の問題でなく、改めてthe abuse of powerの問題であり、男性中心の組織文化の改善にフォーカスすることを強調していたのが印象的です。

 

A lot of things are broken: Why focusing on sex won’t fix sexual harassment

 

男女同権が世界で最も進んでいる国の一つと思われるスウェーデンでさえもこの#Metoo運動は大きな影響を与えたようで、昨秋以来、多くの告発が行われたようです。筆者はやはり現在の組織のリーダーシップのモデルが攻撃的な男性性を備えた人物としてイメージされていることが問題だとも述べていました。この新しいフェミニズム運動に関して異なる文化的背景を持つ4人の識者の話には「日本の現況をどのように改善していくのか」についての大きなヒントが含まれているように感じました。 皆さんの今週の議論に期待しています。

 

 

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